海の緑化研究会シンポジウム 「海の森」再生に向けた新たなアプローチ 〜鉄鋼スラグと未利用バイオマスによる磯焼け回復技術〜 1. 概要  日本や世界各地の沿岸海域において、海藻群落が衰退・消失する磯焼けと呼ばれる現象が生じており、特に水産業においては、漁獲高の減少など深刻な問題となっている。磯焼けの原因としては、海水温の上昇、ウニや植食性魚による食害などが挙げられているが、特に最近になって海水中の溶存鉄不足が注目されつつある。  海の緑化研究会ではこの溶存鉄不足に着目し、産業副産物である鉄鋼スラグ(製鋼スラグ)と未利用バイオマス(堆肥(腐植物質))を用いた磯焼け回復技術(=藻場再生技術)の研究開発に産学連携で取り組んできた。本研究会は、東京大学と新日本製鐵梶E潟Gコ・グリーン・西松建設鰍ェ中心となって2003年に発足し、現在5年が経過するに至っている。これまで、製鋼スラグから溶出する鉄分と堆肥中の腐植物質との錯体形成による溶存鉄濃度の増加と藻場再生への効果に関して研究開発を行ってきた。そして北海道増毛町での実証試験において継続的な藻場再生が確認されたのを契機として、本技術による実証試験は、現在北海道や九州をはじめ、全国20箇所へと広がっている。 海藻群落の再生や藻場造成については水産資源の回復にとどまらず、海藻による二酸化炭素の吸収や海藻を利用したバイオエタノール生成など、環境エネルギー問題解決への期待も少なくない。本シンポジウムでは、5年間にわたって研究開発が進められた藻場再生技術に関する成果を紹介するとともに、磯焼け対策や環境中における鉄の役割について興味を抱いている研究者・漁業関係者との新たなネットワークを構築していくことを目的とする。 2.開催日時・場所 ・日時:平成21年3月9日(月)13:30〜17:45 ・場所:東京大学教養学部18号館ホール ・主催:海の緑化研究会 ・共催:東京大学NEDO新環境エネルギー科学創成特別部門(NEDO特別部門) ・協賛:東京大学海洋アライアンス、ダムフルボ酸鉄研究会 3.プログラム 13:30 開会挨拶 東京大学NEDO特別部門 瀬川浩司 13:40 主催者挨拶・本技術の概要について 東京大学 山本 光夫(海の緑化研究会会長) 第1部:磯焼け回復技術の基礎〜鉄に関する基礎的知見〜 13:55 鉄と錯形成する腐植物質のキャラクタリゼーション 北海道大学 福嶋 正巳 鉄分供給ユニットにおけるバクテリアの役割 産業技術総合研究所 駒井 武 藻類生育への鉄の効果と必要性 北海道大学 本村 泰三 15:25〜15:40 休憩 第2部:磯焼け回復技術の展開〜本技術の有用性と展望〜 15:40 藻場再生実証試験の全国展開1 エコ・グリーン 堀家 茂一 藻場再生実証試験の全国展開2 新日本製鉄 中川 雅夫 実証試験現場の藻場の現状と期待される変化 長崎大学 桑野 和可 溶存鉄濃度と藻場再生の関係性と本技術の今後の展望 東京大学 山本 光夫 17:30 閉会挨拶 東京大学総長 小宮山 宏 18:30〜 懇親会(駒場ファカルティハウス・セミナー室) 4. 参加申込方法 参加希望の方は、下記項目を明記の上、平成21年2月27日(金)までに、E-mailにてお申し込み下さい。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。 シンポジウム参加費:無料 懇親会参加費:4,000円 申込先:東京大学教養学部附属教養教育開発機構NEDO特別部門 山本光夫 〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1 TEL&FAX: 03-5465-8211, E-mail:cymitsuo@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp 申込記載事項: 1)氏名 2) 所属 3) 役職(学生の場合は学年)4) 連絡先(電話、E-mail) 5) 懇親会参加の有無 その他、何かご質問・ご不明な点等ございましたら、東京大学 山本宛、または海の緑化研究会事務局までお問い合わせください。 [海の緑化研究会事務局(笠原・菊地)] 〒224-0025 神奈川県横浜市都筑区早渕2-2-2 いであ(株) 国土環境研究所 生態解析グループ TEL : 045-593-7603 FAX : 045-593-7623