東京から増毛の浜をわざわざ見に来た寿司屋の大将、長山一夫氏は増毛の魚も是非見たいとの願望でした。しかし漁組市場はお盆休み。それではせめて話だけでもと増毛の鮨の匠「すが宗」へ。
すが宗は札幌などで寿司屋をやっていた経歴の持ち主。地物魚の特性や調理法など魚本来の「本物」を知り尽くしたすが宗の話しに長山大将も興味津々。匠同士の話は尽きないようでした。
ことしの秋、新橋の第三春美鮨で増毛魚祭りなどありそうな予感。
異色の訪問者
藻場再生事業の実践試験区への視察者は普通、大学・官庁・企業の研究者の方達ですが今日はなんとすし屋の大将です。
東京新橋のすし屋「第三春美鮨」店主、長山一夫氏。
http://harumi-sushi.sakura.ne.jp/syoukai.html
http://fishrmt.blog.shinobi.jp/Entry/113/
日本各地の魚の産地を訪問し、魚関連著書もある方です。彼はこの数年の魚資源の減少を危惧し、気仙沼の畠山重篤氏の植樹事業にも参加しています。
新日鐵の堤氏から増毛の藻場再生取組の話を聞くやいなや、早速増毛を訪問したのでした。
昨日は少し時化模様の舎熊海岸でしたが、コンブを触って大満足のようでした。
東京大学の全学体験ゼミ増毛フーイルド開催
今年で3年連続の開催となる、東京大学の全学ゼミナールが8月10日11日に開かれました。
今回、引率兼アシスタントの特任研究員と幹事は博士課程の女子学生。そして参加学生7名の総員10名でした。
本年一般公開授業は有りませんでしたが、無事喜んで離町して頂きました。学生の中に増毛が好きになり2回目の参加者もおりました。来年も出来ればお会い出来ますこと楽しみです。
美人の特任研究員の松本真由美女史のページです。
http://www5.ocn.ne.jp/~mmayumi/
博士課程の山崎翔子さんの専門は農学部農芸化学(日本酒の研究も含む)。帰りには國稀での買い物三昧でした。「漁師の力酒(ちからみず)」が何故に美味しいか学問的に証明の研究依頼しました。果たしてどうなりますやらお楽しみ。
8/24追記:松本真由美女史のブログに増毛での記事がありましたので、リンクします。
8/14 増毛海岸の藻場再生プロジェクト
視察団から評価受ける
三博士訪町
藻場再生東大ゼミ増毛で開催予定
故定方東大名誉教授の愛弟子、山本先生によるゼミナールが今年も増毛で現地研修をします。
3年目の今年は日程の関係で1泊ですが充実した時間を過ごしてもらえるよう準備しています。毎年10名程度の参加ですが10年も続けるとのべ100人の学生さんが増毛を知ってくれます。将来何処で偉くなっても増毛の事思い出してくれることを期待してます。

参照:去年のゼミの様子
留萌新聞記者の私見
7月8日藻場見学会の記事
日刊留萌の記事より
たのもしい人材
チョツト大げさ「増毛の海岸から日本の海岸が変ります」
日本プロジェクト産業協議会が沿岸漁業復活で研究会発足。6月8日 環境新聞社の記事より・・・
沿岸漁業を舞台とした環境と経済の一体化を、新たな成長戦略の柱として提言していく方針。詳しくはこちらのアドレスで
http://kankyomedia.jp/news/20100608_11934.html
7月8日新日鐵㈱さん主催の増毛海岸見学会が実施されます。詳細は後ほどアップします。
ナマコの豆知識-増毛のナマコは世界一
写真のナマコは約170gです。チョツト太めです。
分かりやすくするため100gのナマコと仮定しましょう。
生ナマコの値段は直近の市場セリ値が一キロ5,000円でしたので、100gナマコ一個約500円です。これを中国向けに加工(ボイル・乾燥・熟成)されますと元の重量の3.5%仕上がりになります。つまり100gのナマコは約3gになります。
加工費+諸経費を加算して一個2,100円と仮定しますと増毛産中国向け乾燥ナマコは一グラムで700円です。ちなみに本日の田中貴金属金の値段は一グラム3,780円てした。それほどに中国での乾燥ナマコは価値が高いのです。それで浜では乾燥ナマコのことをキンコ(金粉)というらしいです。
中国のお金持ちの皆さん、増毛のナマコは日本海の荒波と海藻でイボがしっかりしていて、色は真っ黒。しかも味は最高です。増毛の海の海藻の底力です。
東北大学名誉教授視察
中歌海岸実験区の水中映像
去る2010年05月24日、施肥した中歌地区にダイバーが潜りましたところ、はやりたくさんの海藻が繁茂していましたので、今回は動画にて紹介します。
今回は増毛漁組専属水中調査チームに同行いたしました。雪解けの遅い今年、一瞬のタイミングで透明度はすぐに落ちますが、綺麗な海から豊かな海への変化です。しばし水中映像をお楽しみください。
(4月28日エントリ「眼下は真っ黒」参照)
同海域には09年04月14日と12月17日に2度施肥基材をセットしました。陸の畑と一緒で春・秋の施肥は効果バツグンのようです。少しずつ毎年施用するのが良いのかも知れません。
ナマコの源泉
増毛の基礎実験役立つ
北海道新聞4月29日の記事にせたな町でのコンブの陸上養殖の記事が載っていました。
増毛町では現在閉鎖されてしまいましたが、2006年10月から2007年3月31日まで町内アワビ中間育成センターで、新日鉄・堤直人主幹研究員の下、ある基礎実験を行いました。センター閉鎖前の最後の実験でした。
増毛町のアワビの中間育成の事業は数々の問題で中止されましたが、その大きな要因の一つに餌の確保がありました。大量の餌用の生コンブの陸上養殖が出来なかったのです。
水産庁補助事業であった本施設は監督官庁とやっと調整しての閉鎖決定でした。増毛町議会も苦渋の選択となっのです。
増毛漁組の偉大な全道・全国の漁業関係者の記憶に残る当時の石崎喜太郎組合長が作った施設です。そして歴史のめぐり合わせは皮肉にも息子、石崎大輔増毛町長の決定で閉鎖されました。町長の辛い決断心中察します。
藻場再生事業のスタート時、施肥基材の研究を指示したのも石崎喜太郎氏でした。
完全閉鎖となった3月31日、施設の給水ポンプの電源を切って関係者が試験水槽を観て驚きました。そこにはおびただしい昆布が成長していました。しかし遅かったのです、皮肉なものです。
しかし、増毛でのこの技術が瀬棚を始め日本各地へ移出され生かされていることになります。町民として誇りに思います。是非大成功してください、陰ながら応援致します。
写真は当時の海水を抜いたときの水槽周りにビッシリ付いていたコンブです。増毛の条件では3月にしてはとても大きい物でした。排水溝にも付いていました。
藻場再生施肥基材のおさらい
増毛漁組の藻場再生基材のスタートは、醗酵魚粉それに松永先生のアドバイスで、鉄鋼スラグと腐植物質の3種混合。その効果は3倍いや9倍以上です。
今回は鉄鋼スラグの基本知識の良い資料へリンク致します。
http://slg.jp/pdf/fs-109_11.pdf
(社)日本鉄鋼連盟による
「環境・グローバル時代に注目される利用技術開発」で増毛漁組のこと写真も掲載されています。
眼下は真っ黒
増毛町の藻場再生試験海区の一つ中歌地区です。
沖側は09年4月施工新日鉄・増毛漁組共同事業(当ブログ09-04-14掲載)の経済産業省の地域資源再利用テーマで開発した藻場再生基材の実証試験海区です。陸側は水産庁藻場保全事業(当ブログ09-12-17掲載)の実施海区です。基材は同じ物を使用し施工方法を少し工夫しました。
増毛町国道箸別より同道港線への交差点より増毛港外防波堤灯台を見通すと眼下に広がる藻場(コンブ中心)です。十数年前に施工した大型投石礁の少ない費用での復活です。
蓮舫様 この事業はなかなか良いです 仕分けしないで下さい。
コンブの成長映像報告
藻場再生海区のコンブが順調に成長しています。晴・干潮・凪 水温5.8℃。渚は水面でコンブがユサユサです、大きいものは幅70mm以上、長さは1m50cm以上です。だんだん沖合のコンブも水面へ顔を出します。ラッコは登場しませんが水面・水中からの映像をお楽しみ下さい。(あまり長時間ご覧にならないでください船酔いします)
木質・セメント成型体の海藻礁としての効果
増毛漁組の藻場再生事業の始まりは平成10年(1998)。しかし、その6年前の平成4年秋、北海道立林産試験場の堀江秀夫科長(現・富山大学教授)研究チームは増毛町で人工海藻礁の実証試験を始めていました。
その頃は投石事業が主体の魚礁作りの時代。堀江氏達の新しい発想の試みに増毛漁組として当時はあまり積極的なご協力が出来ず、今更ながら反省しています。
増毛町と忍路湾の研究資料は下記アドレスです。
http://www.fpri.asahikawa.hokkaido.jp/dayori/0408/2.htm
http://www.fpri.asahikawa.hokkaido.jp/rsjoho/20317310107.pdf











