たのもしい人材

 増毛での磯焼け対策で、逸材なのは植木知佳さんです。今日の道新に掲載されていたましたので、紹介します。
moba2010-06-17-1
 女史と初めてお会いしたのは4・5年前、彼女が北海道大学北方生物圏フィールド科学センター水圏ステーション室蘭臨海実験所で、本村先生の下で一生懸命研究していた頃でした。
 増毛へはもう何回お出で戴きましたことやら。真冬の吹雪に防寒着を重ね着して藻場再生試験区で何時間もの海の観察をしたこともあります。
 今後も頑張ってください。日本の海の再生は貴方に懸かっているといっても過言でありません。

チョツト大げさ「増毛の海岸から日本の海岸が変ります」

moba2010-02-06-16日本プロジェクト産業協議会が沿岸漁業復活で研究会発足。6月8日 環境新聞社の記事より・・・

沿岸漁業を舞台とした環境と経済の一体化を、新たな成長戦略の柱として提言していく方針。詳しくはこちらのアドレスで

http://kankyomedia.jp/news/20100608_11934.html

7月8日新日鐵㈱さん主催の増毛海岸見学会が実施されます。詳細は後ほどアップします。

ナマコの豆知識-増毛のナマコは世界一

写真のナマコは約170gです。チョツト太めです。
 moba2010-06-01-1分かりやすくするため100gのナマコと仮定しましょう。
 生ナマコの値段は直近の市場セリ値が一キロ5,000円でしたので、100gナマコ一個約500円です。これを中国向けに加工(ボイル・乾燥・熟成)されますと元の重量の3.5%仕上がりになります。つまり100gのナマコは約3gになります。
 加工費+諸経費を加算して一個2,100円と仮定しますと増毛産中国向け乾燥ナマコは一グラムで700円です。ちなみに本日の田中貴金属金の値段は一グラム3,780円てした。それほどに中国での乾燥ナマコは価値が高いのです。それで浜では乾燥ナマコのことをキンコ(金粉)というらしいです。
 中国のお金持ちの皆さん、増毛のナマコは日本海の荒波と海藻でイボがしっかりしていて、色は真っ黒。しかも味は最高です。増毛の海の海藻の底力です。

東北大学名誉教授視察

moba2010-05-30-1磯焼け対策の第一人者として知られる谷口氏が増毛を視察しました。
 谷口氏は磯焼けの原因を温暖化により生態系が変化してのいわゆる「食害説」を唱えていた方です。しかすし増毛磯焼けの対策は、「栄養欠乏説」を基としての実績であり、氏との若干のギャップはありますが、増毛町での実績から、氏は少々の路線変更をするのかも知れません。

中歌海岸実験区の水中映像

2010-05-25-1去る2010年05月24日、施肥した中歌地区にダイバーが潜りましたところ、はやりたくさんの海藻が繁茂していましたので、今回は動画にて紹介します。
 今回は増毛漁組専属水中調査チームに同行いたしました。雪解けの遅い今年、一瞬のタイミングで透明度はすぐに落ちますが、綺麗な海から豊かな海への変化です。しばし水中映像をお楽しみください。
4月28日エントリ「眼下は真っ黒」参照)


 同海域には09年04月14日と12月17日に2度施肥基材をセットしました。陸の畑と一緒で春・秋の施肥は効果バツグンのようです。少しずつ毎年施用するのが良いのかも知れません。

ナマコの源泉

 moba2010-05-08-1春風(雪を食べる風)が強い日の川は雪解け水で海はブラウン色。そして増毛名物北西の風で時化た翌日の海岸は、海藻の山。これは一種理想の循環です。
 海岸の堆積海藻は醗酵分解し、そしてまた海へ戻りナマコの最高の餌となるのです。

増毛の基礎実験役立つ

 北海道新聞4月29日の記事にせたな町でのコンブの陸上養殖の記事が載っていました。

moba2010-05-01-1

 増毛町では現在閉鎖されてしまいましたが、2006年10月から2007年3月31日まで町内アワビ中間育成センターで、新日鉄・堤直人主幹研究員の下、ある基礎実験を行いました。センター閉鎖前の最後の実験でした。
 増毛町のアワビの中間育成の事業は数々の問題で中止されましたが、その大きな要因の一つに餌の確保がありました。大量の餌用の生コンブの陸上養殖が出来なかったのです。
 水産庁補助事業であった本施設は監督官庁とやっと調整しての閉鎖決定でした。増毛町議会も苦渋の選択となっのです。
 増毛漁組の偉大な全道・全国の漁業関係者の記憶に残る当時の石崎喜太郎組合長が作った施設です。そして歴史のめぐり合わせは皮肉にも息子、石崎大輔増毛町長の決定で閉鎖されました。町長の辛い決断心中察します。
 藻場再生事業のスタート時、施肥基材の研究を指示したのも石崎喜太郎氏でした。
 
 完全閉鎖となった3月31日、施設の給水ポンプの電源を切って関係者が試験水槽を観て驚きました。そこにはおびただしい昆布が成長していました。しかし遅かったのです、皮肉なものです。

 しかし、増毛でのこの技術が瀬棚を始め日本各地へ移出され生かされていることになります。町民として誇りに思います。是非大成功してください、陰ながら応援致します。

 写真は当時の海水を抜いたときの水槽周りにビッシリ付いていたコンブです。増毛の条件では3月にしてはとても大きい物でした。排水溝にも付いていました。

moba2010-05-01-2

藻場再生施肥基材のおさらい

増毛漁組の藻場再生基材のスタートは、醗酵魚粉それに松永先生のアドバイスで、鉄鋼スラグと腐植物質の3種混合。その効果は3倍いや9倍以上です。
 今回は鉄鋼スラグの基本知識の良い資料へリンク致します。

http://slg.jp/pdf/fs-109_11.pdf

(社)日本鉄鋼連盟による
 「環境・グローバル時代に注目される利用技術開発」で増毛漁組のこと写真も掲載されています。

眼下は真っ黒

増毛町の藻場再生試験海区の一つ中歌地区です。
沖側は09年4月施工新日鉄・増毛漁組共同事業(当ブログ09-04-14掲載)の経済産業省の地域資源再利用テーマで開発した藻場再生基材の実証試験海区です。陸側は水産庁藻場保全事業(当ブログ09-12-17掲載)の実施海区です。基材は同じ物を使用し施工方法を少し工夫しました。

moba2010-04-28-1

増毛町国道箸別より同道港線への交差点より増毛港外防波堤灯台を見通すと眼下に広がる藻場(コンブ中心)です。十数年前に施工した大型投石礁の少ない費用での復活です。
 蓮舫様 この事業はなかなか良いです 仕分けしないで下さい。

コンブの成長映像報告

藻場再生海区のコンブが順調に成長しています。晴・干潮・凪 水温5.8℃。渚は水面でコンブがユサユサです、大きいものは幅70mm以上、長さは1m50cm以上です。だんだん沖合のコンブも水面へ顔を出します。ラッコは登場しませんが水面・水中からの映像をお楽しみ下さい。(あまり長時間ご覧にならないでください船酔いします)

木質・セメント成型体の海藻礁としての効果

増毛漁組の藻場再生事業の始まりは平成10年(1998)。しかし、その6年前の平成4年秋、北海道立林産試験場の堀江秀夫科長(現・富山大学教授)研究チームは増毛町で人工海藻礁の実証試験を始めていました。
 その頃は投石事業が主体の魚礁作りの時代。堀江氏達の新しい発想の試みに増毛漁組として当時はあまり積極的なご協力が出来ず、今更ながら反省しています。
 増毛町と忍路湾の研究資料は下記アドレスです。

http://www.fpri.asahikawa.hokkaido.jp/dayori/0408/2.htm
http://www.fpri.asahikawa.hokkaido.jp/rsjoho/20317310107.pdf

順調に成長しているコンブに再会

 藻場再生試験海域よりの一ヶ月ぶりの4月8日の水中映像です。凪・干潮・晴天・少々濁りあり。沢山のコンブの中よりおなじみを撮影です。
 幅4cmm長さ80-100cm程に成長したコンブに再会する事が出来ました。

 コンブ  「おじさんお元気でした」
 親爺   「時化が多くて久々だよ、でも大きくなったね」
 コンブ 「これからは幅・長さより厚く太るのよ、また会いに来てね」

 小魚も泳いでいましたが上手く映せませんでした。撮影機材も充実したいですね。

藻場再生勉強会 報告その6

2月18日札幌で開催された、全道の漁協主催の環境保全研修会の記事が水産北海道3月号に掲載されました。
 主催者を代表し平野正男(えりも漁協組合長)道漁業環境保全対策本部長の挨拶や、(独)土木研究所寒地土木研究所の吉井厚志氏が掲載。また当ブログには過去何度かご出演頂いております道立林業試験場の長坂昌子研究主任は本年10月増毛町でのご講演調整中です。
 藻場再生の元祖畠山重篤氏(牡蠣漁業者)やコープさっぽろ吉田洋一経営企画室長など多彩な講師よるお話も載っています。詳しくは記事をご参照ください。

moba2010-04-10-1 moba2010-04-10-2

藻場再生勉強会 報告その5

北海道 月刊 水産情報誌に札幌で行われた1月19日、22日開催の2件の藻場再生勉強会記事が掲載されていましたのでアップ致します。
moba2010-03-17-1  moba2010-03-17-2

moba2010-03-17-3  moba2010-03-17-4

1月22日札幌で開催の「北海道磯焼け対策連絡会議」の水産林務部の担当グループの結果概要版です、是非ご一読ください。

pdfファイル「北海道磯焼け対策連絡会議結果概要

 上記結論で、同会議ではこれまでの一説であったいわゆる「ウニなどの食害説」に疑問を訂しております。
 増毛魚組などがこれまで推進していた「海の栄養塩説」が一層実証る結論となりました。

水中映像:増毛町舎熊の海中から

 2010年3月9日、久々に凪た晴天の増毛町舎熊海岸。水温3.3度。増毛の海で元気に揺れるコンブの子供たちです。幅12~20mm、長さ4・50cm一株100本程度着いています。今後の成長が楽しみです。

同海域の施肥試験海岸はコンブの他、色々な海藻が順次生えて来ています。

ちなみに、こんな器具で水中撮影。水陸両用デジタルカメラ OLYMPUS μTough-8000+撮影用固定ポール 手作り(部品代780円)
moba2010-03-14-1
 

3本の矢

 海藻の気持ちは分かりませんが、増毛漁組の藻場再生の基本は北海道大学名誉教授松永勝彦氏の理論を突き進む事であります。
 醗酵魚粉+鉄イオン+腐食物質。増毛の藻場再生事業をご指導頂いております先生のお一人、腐食物質研究の第一人者である北海道大学大学院工学研究科環境循環システム専攻、准教授福嶋正巳氏を紹介します。
 先生の教室には磯焼け海域の植生回復技術をテーマに上げている研究生もおり、頼もしい限りです。
 詳しいお話は先生のページで
http://www.eng.hokudai.ac.jp/edu/div/envcirc/cyclicmaterials/index1.html

ニシンは賢い

 moba2010-02-12-1小樽海岸にニシンが産卵中(群来)との記事が北海道新聞(2010/02/10)に掲載されました。
 時化が長く続いていたほんの瞬間の凪日(適度な風)、干潮、くもり、早朝など
全ての条件が揃った時、藻場の多い海岸に一個大隊ごと一斉に突入です。
 2月11日早朝、増毛海岸南側(雄冬・岩尾・歩古丹)沖には一個小隊が終結していたのですが、ここを増毛漁組のベテラン漁師は見逃しません。その一部、漁獲量は5K入れ約260ケースの水揚げでした。今後の増毛でのニシン漁が楽しみです。映像は次回に・・・・。

 正式ニシン情報は北海道水産林務部発表のこちらから
http://www.fishexp.pref.hokkaido.jp/

キーワードは 「点から線へ・線から面へ」

 moba2010-02-10-1日刊留萌新聞 連載「’10話題・ひと」に増毛漁組西野憲一組合長が特集されました。
 13年目を迎える増毛の藻場再生活動の代表としてより多くの賛同者を募り、活動の輪を広げる計画で「増毛地区藻場造成保全会」の代表としても今後の目標を語っています。 
 松永勝彦先生の増毛の海岸でのお言葉「点から線へ・線から面へ」忘れません。